iOS開発におけるパターンによるオートマティズム の感想

公開日: : iPad, iPhone, , ,

IMG_3737.JPG

タイトルを見ていまいち内容が類推できなかったのもあり買うつもりはなかったのだが、fladdict のページ で気になり、書店で中身を眺めてぴーんと来たので思わず買ってしまった。

本書で言うところの「パターン」とは、短いソースコードの集合だ。
パターンを使うときは、コピー・ペーストし、アプリの仕様にあわせて改変しながら使うのが基本。
内容をキチンと理解したパターンを使って、半自動的にアプリを開発しようという話だった。

  1. パターンとは何か
  2. アプリ設計のパターン
  3. モデルのパターン
  4. メモリ管理のパターン
  5. ビューコントローラのパターン
  6. テーブルのパターン
  7. 通知のパターン
  8. ネットワークのパターン
  9. iPad への対応

の9章で構成されている。

本書の冒頭にも書かれているが、この本は何本かiPhoneアプリを作ってから読んだ方がいいと思う。
いろいろな本を参考にしたり、サンプルやチュートリアルを元に試行錯誤して自分なりにアプリを作ってみて、それからこの本を読むとスポンジが水を吸収するように理解できると思う。
自分も何本かアプリを作ってきて、かなりいろいろ試行錯誤してきたので、ここで取り上げられているパターンはほとんど自分なりに書いたことがあった。
その自分のコードを思い出しながら著者のコードを見るととても参考になる。実用的な例が取り上げられていると思う。6.4 表示更新のパターン もそうだし、7章の通知のパターンで紹介されている、デリゲート、キー値監視、NSNotification の3つの通知の方法も、自分もまさにこの順番で試行錯誤で使っていた。しかし試行錯誤する前にこの本を読めば試行錯誤せずに済むのか… それも良いかも知れない。

この本を読むと、確かに fladdict のページに書かれているように、Snippets — Code Snippet Manager for Mac OS X のような、コードスニペットに特化したアプリを使いたくなる。多少高いけど、便利そうだ。

それなりに値段の高い本なのでもうちょっと踏み込んだパターンのコードがあっても良かったのでは、と思う。8章の最後に、NSOperationやNSOperationQueueを使ったパターンもあってもよいだろうと書かれているが、まさにそのパターンも欲しかったりした。

HMDTのページ を見たところ、電子版としてiPhone/iPad 対応アプリもリリースされるらしい。自分はKindle版の方がMacでも閲覧できるのでうれしかったりするが、楽しみだ。

ところでひとつ、タイトルに関して。
「オートマティズム」という言葉を使ったのがいまいち理解できず。一般的な用語ではない気がするし、意味を調べてみても、本書が言いたいことは自動筆記などとは違うと思うので、内容とタイトルが合っていない気がした。
著者の真意を確認してみたいところ。
オートマティスム – Wikipedia
Automatism – Wikipedia, the free encyclopedia

iOS開発におけるパターンによるオートマティズム
iOS開発におけるパターンによるオートマティズム 木下 誠

ビー・エヌ・エヌ新社 2011-02-09
売り上げランキング : 334

Amazonで詳しく見る by G-Tools

関連記事

no image

アップルストア渋谷で発売日翌日にiPhone 5を買ってきた

2012年9月21日8時に発売されたiPhone5、自分はヨドバシカメラで予約したのだけれどもちょっ

記事を読む

no image

Apple、iPhoneアプリは今後3.0互換でなければ受付けないと通告

Apple、iPhoneアプリは今後3.0互換でなければ受付けないと通告 うちにはこのメールは届いて

記事を読む

Pebble Time 届いた。これはいいものだ

Pebble Time 発表されたのでさっそく出資 | tokentoken.com で 2015

記事を読む

no image

Invalid Signature で App Store に Submit できず

無料版と有料版を同じソースからビルドできるようにしようと思いいろいろ試行錯誤を続けている。 ついにビ

記事を読む

no image

開発をサポートできませんでした。

久しぶりにiPod touch 初代を MacBook に接続したら、「開発をサポートできませんで

記事を読む

no image

Photoshop Webデザイン即効技60

書店で平積みされていてたまたま手に取ったら良さそうだった本。 ありがちな本ぽいが、使ってみたい実例が

記事を読む

no image

[iPhone 開発本] Objective-C 逆引きハンドブック

854ページの大著。C&R研究所というところから出版されている。ページはこちら。目次はこちら

記事を読む

2020年大晦日

毎年年末は家族で旅行に出かけていたが、今年はコロナウィルスの影響もあり自宅で静かに過ごすこ

記事を読む

no image

[iOS SDK] NSUserDefaults boolForKey でNOが返ってくるとNOが格納されていたのか値が存在しなかったのかが不明

NSUserDefaults Class Reference にあるとおり、NSUserDefau

記事を読む

iPhone 6 Plus iSight カメラ交換プログラムに行ってきた

iPhone 6 Plus iSight カメラ交換プログラム - Apple サポート の発表があ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Wi-Fi6Eルータ TP-Link AXE5400購入

Wi-Fi6E を試してみたくなり、TP-Link AXE5

児童手当 認定請求書申請 2024 「請求者が養育をする18歳に達する日以降の最初の3月31日までの子の数」とは?

2024年に受給していない人には手紙が届くらしい。 電子申請も

Vision Proアプリ開発本 8/24、8/26に発売

Vision Proアプリ開発入門 P400が 8/24 に発売、V

Developer Strap が日本でも購入可能に

USアカウントでしか購入できなかった Vision Pro 用 De

Vision Pro カバーケースを買ってみた

[itemlink post_id="11629"]

→もっと見る

PAGE TOP ↑