[読んだ] 人を見捨てない国、スウェーデン
公開日:
:
最終更新日:2014/05/17
本
週末に暇があれば図書館に行くようにしていたので、長女と次女は日常的に本を読む人になった。
図書館に行くと、子どもたちが本を選ぶまで待っている間にいろいろな本を読む。
ということで今日読んだのはこちら。
人を見捨てない国、スウェーデン (岩波ジュニア新書) | |
三瓶 恵子岩波書店 2013-02-21 売り上げランキング : 169794 by G-Tools |
著者の三瓶 恵子氏は大学で知り合ったスウェーデン人と結婚されて、そのままスウェーデンに行き、30年以上住んでいるとのこと。
お子さんは男の子2人で、どちらもスウェーデンで大学に通っているようだ。
以下、要約と感想。
- スウェーデン人の子どもは日本の子どもよりも自由に思える。学校も、空き時間が多く、また自分で好きなように学習を進められるタイプの学校も多いようだ。しかし自由度が高すぎて、意思を持っていないとどんどん楽な方に流れて行ってしまいそう。逆に、やる気がある人はどんどん学習を進められるので、優秀な人はどこまでも優秀になれそうだ。
- 高校生くらいから、ボーイフレンドの家に泊まりに行く家庭が多いとのこと。日本では想像できない。スウェーデンでは成人は18歳からということなので、早く成長する必要があることはたしかだ。
- 結婚、離婚がとても普通に行われているらしい。出生率も高い。このため、前の結婚の時に生まれた子どもなど、たまにしか会わない家族がふつうにいたりするとのこと。しかしスウェーデンでは一番大事なものは家族で、2番目は友人、というのが基本概念らしい。余談だが男性同士、女性同士の結婚も法律上認められているとのこと。
- 世界で一番男女平等が進んでいるらしい。ごく普通に、男女両方働いている家が多いとのことだった。
- 社会人になってからでも、何度でも教育を受けることが制度がある。仕事もどんどん変えていくことが普通。しかし経験を積んでいる人が優遇される。
- 教育や医療など、いろいろなものが無料で提供される。しかしその分税金は日本と比べてかなり高い。しかし税金が何に使われているかわかりやすいため、国民は喜んで税金を納めているとのこと。
- IKEAのカタログが、国民全員に配布される(!)らしい。みんなIKEAのカタログを眺めるのが楽しいとのことだった。
自由に授業を選ぶことができ、進度も自分で調整できる教育制度は今後の一つの教育の方向性として参考にしても良いのではと思った。
日本と比較すると、非常に優秀な秀才は育ちやすいと思うが、逆に怠惰な人たちも大量に発生しうると感じた。
それも含めて、自由度が高い、自分の意思で何でも決められるということなのだろう。
著者も最後に書いているが、スウェーデンでの生活は、「何かやりたいことがあればとても楽しめるが、何もなければまったく楽しめない」
何かやりたいことがなければ、半年続く長い冬がとても陰鬱なものになるとのこと。
日本よりも、国民に自立を求めている国だと感じた。
税金が高く、福祉が手厚い国家として日本の参考になりそうな国。今まであまり注視してこなかったが、今後は意識して情報収集してみようと思った。
英語教育に関しても知りたいと思ったが、この本には全く書かれていなかった。
ちょっと検索してみたところ、アメリカのテレビ番組が普通に放送されていて、英語にふれる機会は多いようだ。
また、言語的に近いということもあり、英語ができる人は多いようだ。
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