企業戦略としてのデザイン
Apple関連なのでこっちのブログに書いてみる。
「アップルはいかにして顧客の心をつかんだか」という副題がついているとおり、全編にアップルが取り上げられている。著者が元アップルであるということもあるだろうが、しかしアップルは確かにいいものを作っているのでよい例としてあげられることには不満はない。
アップルのほかには、BMWやサムスンがエクスペリエンス主導の会社として取り上げられている。サムスンはトップの判断で1996年(?)にデザイン主導企業とやっていくという方針に切り替えて、それ以来ずっとその活動を継続しているらしい。このため、今ではよいデザインの会社というイメージになっているとのこと。
日本ではサムスンはそれほどよいイメージにはなっていないと思うが、米国では事情が異なるようだ。
デザイン主導企業となるためのキーワードはFLAVORとしてまとめられていた。
Focus(カスタマーエクスペリエンスにフォーカスすること)
Long-term(長期にわたる取り組み)
Authentic(嘘偽りのない本物の品質)
Vigilant(細心の注意と警戒心)
Original(オリジナリティの確保)
Repeatable(繰り返せること)
アップルは今は絶好調だが、細心の注意を払って常にユーザエクスペリエンス重視でいく姿勢が失われると容易にスターバックスやポラロイド(この本では輝きを失った企業の代表として扱われている)のようになるだろう。
トップからボトムまですべてデザインを、ユーザエクスペリエンスを重視した企業にならないといけない。ならなければ死だ。と書かれていると感じた。
Inside Steve’s Brainによると、ジョブズはMacOS XのGUI部品を目をこらしてなめるようにチェックする。そんな人間がうちの上層部にもいたらおもしろいことになると思うのだが。
企業戦略としてのデザイン アップルはいかにして顧客の心をつかんだか | |
長尾 高弘
アスキー・メディアワークス 2008-12-19 おすすめ平均 |
関連記事
-
[ふたご漫画] ぷりぷりふたごシスターズ
うちには1歳の双子がいるので一応常に双子情報を集めている。 ということで、Amazon からふたご漫
-
iPhone/Androidアプリで週末起業(山崎潤一郎著) を読んでみた。
前著を読んで、ちょっと楽観的に書きすぎていると思ったけれどもとりあえず最新版が出たので読んでみた。
-
作りながら覚える3日で作曲入門
10日Pこと、monaca:factory さんの本。評判が良かったので買ってみた。 Win
-
超効率的! 笑って覚えるイラスト英単語 (ジェレミー・チェイス著)
久しぶりに書店で英単語本の棚を見に行ったところ、おもしろそうな本があったで購入。 超効率的!
-
メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電 感想
西田宗千佳氏の本はいつも面白い。 今回も予想に違わず面白かった。 自分も同じような情報は知っているは
-
Jony Ive: The Genius Behind Apple’s Greatest Products
Jony Ive: The Genius Behind Apple's Greatest Produ
-
iPhoneアプリ おんぷちゃん開発日記 音楽理論学習本 Practical Theory Complete
おんぷちゃん開発のために多少の音楽理論が必要となり、良い本を探していたところ下記の本を発見しました。
-
iPhone SDK の教科書 読了
先週末にiPhone SDKの教科書 を読了。 サンプルプログラムも手打ちで全て入力して作ってみた。
-
ゲームデザイナーの考え方 ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ―
俺の屍を超えていけやリンダキューブをデザインした枡田氏の本。 ゲームデザイナーの考え方の片鱗を知るこ