[iPhone SDK] Significant-change Location Service の挙動

公開日: : 最終更新日:2011/09/26 iPad, iPhone ,

iPhoneで位置情報取得を連続して行うと、あっという間に電池が無くなってしまう。これは、位置情報取得のためにGPS関係のデバイスを軒並み起動しているためらしい。
このため、iOS4より、Significant-change Location Service という便利なものが用意された。
ずっと測位を続けていると電池がすぐに無くなるが、このサービスを startMonitoringSignificantLocationChanges: で開始すると、前回の測位から大きな距離の移動があった場合にのみ、locationManager:didUpdateToLocation:fromLocation: を呼び出してくれる。
バックグラウンドに入っていても通知されるし、バックグラウンドに入っていつの間にか他にアプリに押し出されて終了してしまっても、自動的に再起動をしてくれるとドキュメントには書かれている。

しかしiOS4 Betaの間はなかなか動作が安定せず、その後もなかなかまともに動いていなかったようなのでそんなにきっちり調べていなかったのだが、そろそろまじめに挙動を調べてみようと思う。

同様の疑問を持った人がいて、StackOverflow に質問をしてくれていた。
Behaviour for significant change location API when terminated/suspended? – Stack Overflow

この人によると、startMonitoringSignificantLocationChanges: を呼び出してバックグラウンドに回ったアプリは、たとえ終了させられたとしてもiOSから通知を受けられるが、app delegate のcallbackは全く受けられないという。
さて、実際どうなのかをアプリにログ書き出し機能を入れて試してみる。
位置情報取得系アプリは、実際に移動しないとデバッグができないのがつらい。
いや、何か回避する方法があるのかな。

2010/10/07 試験1

試験に使ったのは、自作の Log Locations
これは起動しておくとバックグラウンドでSignificant-change Location Serviceを使って自動的に測位をしていくライフログ的なアプリなのだけれども、バックグラウンドに入れていろいろなアプリを起動すると、いつの間にかバックグラウンドからいなくなっており、それ以降ログがとられない。
しかし、Appleのドキュメント通りならば終了させられてもまた長い距離を移動すれば自動的に起動させられるはず。
これを、最近検索して見つけた iMemoryGraph を使って確認してみた。

で、結果としては確かにメモリから追い出されて終了させられたことをiMemoryGraphのプロセス一覧画面で確認したのだが、帰宅途中に見たら確かに復活していた。
ということで、確かに起動はしてくれているようだ。
なのに、なぜ測位結果が残らないのかを次は調べてみよう。

追記 2011/07/13

調べてみよう、と書きつつその後の結果を書いていなかったのでいまさらながら書いてみる。
その後、ログを出力するコードを入れて毎日通勤時に動かしてみてログを確認することを繰り返して、startMonitoringSignificantLocationChanges: により自動起動された場合、起動されるけれどもごく一部のコードしか呼ばれないことが判明した。
そして、起動されてもすぐにバックグラウンドに入ることもわかった。
確かに、大きな距離移動して自動起動されたとしてもUIが表示されるわけではないし、フォアグラウンドに出てくるわけでもないので、呼ばれていたのは
– (void)applicationDidEnterBackground:(UIApplication *)application {
だった。
このため、ここで CLLocationManager をallocして、一通りの初期化をする必要があった。
また、すぐにバックグラウンドに入ってしまうので startMonitoringSignificantLocationChanges: を呼ぶ必要もあった。
これらのことを実行することで、バックグランドに入り、メモリ不足でアプリ終了されてもその後起動してログをとり続けることができるようになったようだ。

iMemoryGraph 1.5(無料) for iPhone

iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.1.2 以降が必要

iMemoryGraph 1.5
カテゴリ: ユーティリティ
価格: 無料 App
更新:2010/08/20

imagesimages

関連記事

奥さん用 iPhone 4 購入

奥さんのiPhone 3Gに電源が入らなくなり、再起動したりDFUモードにしたりしても直らず、修理(

記事を読む

no image

Application tried to present a nil modal view controller on target 問題

MFMailComposeViewController を使ってメール送信ダイアログを表示しようとし

記事を読む

no image

[iPhone SDK] iAd 組み込みでひっかかったこと

iAd は iAd Programming Guide を読んだりすればとても簡単にアプリへの組み込

記事を読む

[iOS SDK] 実装ファイルでメンバ変数を宣言する

Xcode 4.x を導入したらいろいろ見慣れない記法があったので、いまさらながら一部まとめてみた。

記事を読む

no image

[iPhone開発本] オライリー iPhoneアプリケーション開発ガイド 感想その1

面白そうだったので発売日に買ってみた。1995円と安いのもすばらしい。 しかしタイトルは一ひねりした

記事を読む

no image

iPhoneアプリ おんぷちゃん開発日記 ボタン表示の複数言語対応

そろそろiPhone OS 4 beta 3の開発環境に移行しようと思っているのだが、環境を移行して

記事を読む

no image

Bundle versions string, short と Bundle version の使い分け

Xcode 4 上の、Bundle versions string, short (CFBund

記事を読む

ドラムちゃんに電子ドラムiWordを接続する

ドラム譜学習アプリ「ドラムちゃん」に、安価なMIDI電子ドラム iWord を接続する方法を説明し

記事を読む

no image

[iPad SDK] Popover中にTableViewを入れて、タップしたらPopoverを閉じたい

今作っている リズムくん for iPad で、拍子記号を Popover で選択できるようにしよう

記事を読む

no image

[iPhone 開発本] iPhoneのオモチャ箱 でしばらく遊べそう

cocos2d/Box2Dを調べたいと思っていたら丁度発売されたので買ってみた。 実際にcocos2

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ポモドーロテクニック用物理タイマーならTime Timer

会社ではなかなか自由に時間を使えないが、家で読書や作業をする

DELL 32インチディスプレイ U3223QE 購入

Dell U3223QE は解像度 3840x216

WWDC 2023 Vision Pro発表

2023/6/5 (日本時間 2023/06/06 2AM)のWWD

M1 MacBook Air を Venturaにアップデートする

M1 MacBook Air を macOS Montere

iOS16でaurioTouch の inBufferFramesが1になる

https://developer.apple.com/librar

→もっと見る

PAGE TOP ↑