Objective-C 2.0のプロパティで再びはまる
Objective-C 2.0のプロパティに関してはまったことがあり、これはちょっと詳しく知っておく必要があるなと思い、詳解Objective-C 2.0を購入して辞書的に使っている。
そして昨日再びプロパティではまったので参照。
プロパティにオブジェクトを指定する場合、assign, retain, copy のどれかを指定することを再び学ぶ(P.294)。
そのあたりは大体知っていたのだが、今回は Get しかしないので、 readonly を指定したところ、それではオブジェクトは生成されないことを知った。
詳解Objective-C 2.0には明示的には書かれていないのだが、assign, retain, copy の説明を読むとそう判断することができる。(セッタ用コードが自動で生成されないため)
自分みたいにはまる人が他にもいるかも知れないので、readonly の時の話も書いてもらうと良いかも知れない。
Objective-C 2.0のプロパティはオブジェクトのカウンタ管理とからんでいて結構複雑なので、よく理解してから使った方がよいと思われる。
ところで、詳解Objective-C 2.0のP295の「(d) copyを指定した場合のセッタの定義」は、[name release] が書かれているが、copy の場合は必要ないのではないだろうか。★ソフトバンククリエイティブのページを見てみたが、正誤表は見つからなかった。
木下さんのダイナミックObjective-C 104回めを見てもやはり必要なさそうだが。確認が必要。
しかしObjective-C 2.0のプロパティは個人的に結構難しい。@property, @synthesizeから生成されるコードがいまいち想像できないし、オプションで挙動も大きく変わってしまうので初心者は使わない方がよいように思われる。
実際、iPhone Cool Projectsの2章でも、「自分はプロパティは使わない」と書いている著者がいた。同じようにはまった経験があるのではないだろうか。
ちなみにiPhone Cool Projectsはとてもおもしろい。読み終わったら紹介したい。
追伸
★の件だが、紹介Objective-Cの著者の方にメールしてみたところ、非常に丁寧な回答が返ってきて、自分が間違っていることが分かった。
Appleのドキュメントによると、copy の場合もrelease が必要になる。
value に入っていたオブジェクトを release しておかないと、メモリリークになってしまうとのこと。
木下さんにも確認してみたところそれが正しいことが分かり、ダイナミックObjective-C 104回目の記述は修正されることになった。
こうやって著者の方々とやりとりができるのは本当にありがたい。2人とも非常に丁寧で、人柄が伝わってきた。
ありがとうございました。
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さらに追伸
自分のクラスのプロパティにアクセスする場合、self.age = 10; のようにselfをつけないと、アクセサメソッドは呼ばれない。
これは Apple のドキュメントの、Objective-C 2.0 プログラミング言語 の Dot Syntax で説明されているが、わかりづらいので注意。
一時期かなりはまっていた。
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