[iPhone SDK] iOS 4で導入された Blocks とは

公開日: : 最終更新日:2010/09/14 iPad, iPhone ,

Game Center を試していると、たくさんの^ (Caret というらしい。自分はハットと覚えたが) が出てきて、違う言語のコードを読んでいるような気になるが、これは、iOS 4 で導入されたBlocks の構文だ。
Blocks はAppleがドキュメントを用意してくれているのだが、まだよく分かっていないのでWebを放浪しながら理解しようと試みてみる。
A Short Practical Guide to Blocks
Blocks Programming Topics

この記事はよかった。
Programming with C Blocks on Apple Devices
しかしBlocksひとつでこんなに長い説明が必要になるとは。

ブロックの定義の書き方

戻り値の型 (^ブロック名)(引数の型)

ブロックの実装の書き方

^(戻り値の型)(引数の型 引数名) {

};

int (^Multiply)(int, int) = ^(int)(int num1, int num2) {
 return num1 * num2;
};

int result = Multiply(7, 4); // result is 28

実際には、

  • 返り値の型が返り値から分かる場合には、返り値の型を省略できる
  • 引数が無い場合は省略できる

というルールがあるので、^(void)(void) {}; と書くことはなく、^{}; となる。
これもよく見るパターンだ。
また、返り値の型は返り値から判断できるので、たいてい返り値の型は省略されるようだ。

ブロックはCの拡張とObjective-Cの拡張があるので、それもわかりづらさを助長している。
また、ブロックはスタック領域(自動変数の領域)にとられるので、何もしないとメモリが解放されてしまう。このため、Block_Copy したり、copy したりしないといけない。
これも記述的にかなりややこしくなる要因の一つだ。

例えばこんな感じで、ブロックを返す場合には copy して、後で解放されるようにautoreleaseもする必要があるようだ。

typedef void(^BasicBlock)(void);
@interface LogMessage : NSObject {
	NSString *logLevel;
}
@end
@implementation LogMessage
-(BasicBlock)printLater:(NSString*)someObject;
{
	return [[^ {
		NSLog(@"%@: %@",
			logLevel,  // (1)
			someObject // (2)
		);
	} copy] autorelease]; // (3)
}
@end

まだBlocksのことが載っている本は少ないと思うが、この本には一応数ページ載っていたので紹介。

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