WWDC 2011 に行ってきた
WWDC 2011に行ってきたときのメモなど。公開が遅れているうちにWWDC 2012のチケットが発売されてしまった…
今年参加される方の参考になるかも知れないので、いまさらながら公開してみる。
参加した動機
2010年に、自分がTwitterでフォローしている人々の多くがWWDC 2010に出かけていき、とても楽しそうだったのと、どこかでみたWWDCの写真で、みんな地べたに座ってMacBookでコーディングしていたのを見てそれがあまりにも楽しそうだったので、是非一度は行きたいと思っていた。
また、以前から一度でいいのでジョブズの生プレゼンを見たいと思っていたが、ジョブズが直接プレゼンする機会も今後はなくなりそうだったので、今回を逃しては一生後悔するだろう、と思い結構無理して参加することにした。
チケット購入から出発まで
実際にはWWDC 2011に申し込む時点ではジョブズがプレゼンするかはわからなかったのだが、何にせよ今回を逃すともう見られないという予感がしたのでとりあえず参加チケットをカートに放り込み寝た。
翌日起きたらすでにチケットが完売、という文字がWebをにぎわせており、ためしにカートに入れていたチケットをそのまま購入したところ、幸運にも購入することができた。
自分は個人で参加するので、チケットも宿も自分で予約することになる。
チケットも宿もなるべく安く入手したいので、いろいろ比較検討した結果両方楽天トラベルで購入した。
ホテルがExecutive Hotel Vintage Court San Francisco 1泊$97、6泊で$582。6/5(日)から6/10(金)まで宿泊した。
ひたすら南下すると、Moscone Center に到着する。
ちなみにこれより西に行くと治安の悪い地域になるらしい。Beer Bashの時に知り合った人はそちらの方に泊まっていて、相当怖かったらしい。
航空券がデルタで143955円。16:00成田発、10:00SFO着という便利なものにしたので、ちょっと高くついた。
しめて20万円くらい。チケットが13万円なので、かなりの出費だ。
後から考えるとこのホテルは会場から遠く、しかも坂の街サンフランシスコの坂の上にあったので移動が結構大変だった。これから参加する人はそのあたり注意をするのがよさそう。
慣れている人はモスコーンから坂を上らないで移動できる宿を予約するらしい。しかしそういうところはチケット発売後あっという間に売り切れそう。
到着
WWDC前日の6/5(日)にサンフランシスコに到着し、その足でレジストレーションを済ませた。キーノートは早朝から並ばないと見れないので、見たければ前日入りするしかない。
Moscone Centerは予想以上に広くて、しかも複数の建物から構成されているので、最初はちがう建物に行ってしまい、しばらく迷ったりしてしまった。
レジストレーションはとても親切で、明るい雰囲気だった。もらえたグッズがあまりおしゃれでないパーカーだったのはちょっと残念だったが。以前はバッグがもらえたりしていたようで、WWDC会期中に、過去のWWDCで配布したと思われるバッグを持ち歩いている人も結構いた。
その日はAT&Tボールパークで野球を見たりして暇をつぶした。一人で参加しているので食事などは寂しい。
キーノートに備えて準備して早めに就寝。
キーノート見学、WWDC初日
翌日は朝4時に起き、そのまま出発。かなり着込んだのだが、それでもかなり寒かった。6月だが真冬の格好で行った方がいい。
自分は折りたたみのイスを持って行ったので多少座れた。イスやクッションを持って行くとよいけれども、結構小刻みに移動させられるのでそんなに長くは座ってられなかったりした。
朝4時にホテルを出てならび始めたが、すでに長蛇の列ができており、自分が会場入りできるかどうかは不明な状況だった。自分の近くに並んでいる人たちはヨーロッパあたりから来ている人たちぽかった。iPad2を持って映画を見ている人もいた。
(WWDCではかなり多くの人がでたばかりのiPad2を持っていた。初代を持っている人は少なかった気がする)
行列中は、MacやiOS関係の雑誌などの売り込みの人がサンプルを配布したり、TestFlightの車が来てホットドッグを配ったりなどのイベントがありつつ、ひたすら10時からのキーノートを待つ。
8時くらいから会場内部への移動が始まり、のろのろと会場に入ったがそれからも結構待たされる。Moscone Centerの中に入るときに、入り口で自主的にカウントしている人(?)に1000番近辺の番号を言われた気がするけれども定かではなし。
なんとかキーノート会場には入れたが、かなり遠かった。いくつかプロジェクターで投影しているスクリーンがあるので、それを見てプレゼンを聞く感じだった。自分の席からiPhone 3GSで写真を撮るとこんな感じ。一応肉眼でも何とかジョブズの姿を確認することはできた。
自分の近くのスクリーンで見るとこんな感じ。
せっかく参加したキーノートだったが、すでにジョブズはかなり弱った様子で、声も小さく、かなり心配になるレベルだった。プレゼンもデモも本来ならジョブズがやりそうなところをフィル・シラーが担当していた。
ジョブズ自身はiCloudのプレゼンを担当。確かにうまかったが、やはりもっと元気のあるときに聞いてみたかったと感じた。
ただ、今回参加できなかったら一生後悔することになったと思われるので、参加できてよかった。ジョブズの講演を聴ける、千載一遇のチャンスだったと思う。
プレゼンの内容は、MacOSもiOSも盤石という内容で、話を聞くとすぐにいろいろ作りたくなるものだった。
具体的な内容に関してはもうすでにいろいろなところで書かれているので割愛。
キーノートの後はそのまま各セッションに参加。キーノートを皮切りに、月から金の5日間で平行してMoscone Center中の複数の部屋でセッションが行われた。
どのセッションもプレゼンがすばらしく、英語も聞き取りやすいものだった。いったいどんな準備をすれば全員があんな高いレベルのプレゼンができるようになるのだろうか? しゃべり方も内容も、英語を母国語としない人向けにもわかりやすいように心がけていると感じた。相当の修練を積まないとああはしゃべれないだろう。
会場の雰囲気など
会場は全体に気が行き届いた感じで本当に快適だった。会場ではジョブズお気に入りといわれているOdwallaやホットコーヒーなどが置かれており、自由に飲むことができた。
後から気づいたのだが、実は朝は8時から会場が開いており、パンや飲み物が置かれていた。また、その部屋には有線LANがたくさんあり、大きいデータを落としながら食事をしたりコーディングしたりできた。一応Mi-Fiは持って行っていたのだが結構すぐ電池がなくなってしまうし不安定なので有線LANを使いたい時があり、最初から朝から会場入りしておけばよかったと後から気づいて思った。
昼休みは広い会場を使って、ゲストの方による興味深いプレゼン(iPhoneを宇宙に持って行く話などだったかな)が行われており、それらに参加してもよいし、地べたに座ってコーディングしたりしていてもよい。
昼食も一応もらえる。
会場に電源コンセントはたくさんはなかったと思うので、HyperJuiceなどを持って行くとよいと思う。自分はその時には持っていなかったので電池切れで手持ちぶさたになっていることが多かった。
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人気のセッションはすぐに会場がいっぱいになってしまって入れなくなるのでセッションが終わってもあまりのんびりしている暇はなく、すぐに次の部屋に移動して並んで待つ必要がある。
いっぱいになってしまうと、中から誰かが出てくるまでひたすら待つか、入れる会場で別な話を聞くか、になってしまう。
内容によっては別な日時に同じ内容が行われたりするので、そのあたりはスケジュールを確認して検討する必要がある。
2011年はチケット購入者向けにWWDC 2011アプリが配布されていて、それでスケジュールを決めて回っていた。
木曜日の夜にはBeer Bash なるイベントがあり、近くの屋外の会場でフリーの飲み物や食べ物を食べながらコンサートを聴いたり、参加者たちでいろいろ話をすることができる。
自分もここでようやく他の日本人と知り合うことができて、いろいろ情報交換したり、おもしろい人に知り合ったりできた。
(それまでは1人で行動していて結構さみしい思いをしていた)
金曜日の最終日は午前中までしかセッションがない。せっかく時差や英語になれてきて集中できるようになってきたところだったのにとても残念だった。
WWDCが終わった後は、Beer Bash で知り合った人たちと観光に行き、博物館を見学したり10数年ぶりにゴールデンゲートブリッジを歩いて往復したりもした。(結構時間がかかる。揺れるし)
まとめ?
つらつらと書いてきたけれども、日本からWWDCに参加すると、チケットが13万円かかり、交通費と宿泊費をあわせると30万円を超えてしまう。食費なども必要なので、自分の場合は40万近くかかってしまったと思われる。
また、WWDCは5日間行われるので、会社や家をまるまる1週間以上あけることになってしまう。
それだけの価値があるか、という話をすると、最近はセッションの内容もあまり日をおかずにビデオで公開されてしまうので、正直言って情報取得という点ではそれほどの利点は無いのではないかと思う。
もちろん最新の情報を詳しく入手でき、しかも Appleのエンジニアに自由に質問できるワークショップが時間を決めて裏番組的に平行で開催されているので、困ったことがあればそこで相談することができるのは利点だと思う。
実際自分もその時点で作り始めていた地図アプリで使っていた UIScrollView に関して質問をして、適切なアドバイスをもらうことができたりしたのはありがたかった。
余談だがワークショップの担当はかなり細かくわかれていて、自分の場合なかなかUIScrollViewの担当の人が来ないので、試しにUIViewControllerの人に質問をしたところ、「自分はUIViewController担当なのでわからない。 UIScrollViewの担当に聞いてくれ」と言われたりした。
それ以外は、やはり会場の熱気を感じられるところが利点だろうか。世界中の人が集まって熱心にセッションを聞いている姿を見ると自然とモチベーションが高められる。
自分は個人参加だったので、なかなか毎年参加する費用を捻出できないが、ここで得られる体験はとても刺激的だし、他ではなかなか味わえないと思うので、一度行ってみる価値はあるのではないだろうか。
しかし否定的な人の意見もどうぞ。
WWDC 2010 に参加してきた率直な感想 : 管理人@Yoski
WWDC 2011は日本人の参加者が例年と比べてとても少なかったらしい。Beer Bash で知り合った、3年連続で個人で参加している方は、今年は知り合いがほとんどいなくて困っていると言っていた。チケットが売り出されて売りきれるまでのタイミングが日本だと夜から朝にかけてだったので、会社に許可をもらったりする余裕がなかったためだろう。
会社に費用を出してもらおうと思っている人は事前に許可をもらっておくのがよいでしょう。
と書いたまま公開していなかったら、2012/04/25 の夜に WWDC 2012のチケットが発売されたらしい。今年は何と2時間(?)で売り切れた模様。
今年はどんな発表があるんだろう?
参加される方はおめでとうございます。とてもうらやましいです。楽しんできてください。
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